
ホタルも住民も、
このお酒の造り手。

地元と積み重ねた
30年が生んだ「継」
岡地 真作
越路ホタルの会
長岡を出たいと思ったことですか? もちろんありますよ、若いときは誰でもそうでしょう(笑)。 生まれも育ちもここ近辺だったので、この自然も特別に感じたことはなかったし、工業高校に通っていたので、その方面に進むことを考えていましたね。結局は地元での就職を選びましたが、当時は酒造りへの興味も薄かったので、この会社に入ったのは本当に偶然でした。
入社後は、製品部でビン詰めの作業や配送の手伝いをしていましたが、研究室に配属となったある日、当時の上司であった嶋悌司先生(元新潟県醸造試験場長)が、ここらへんは自然が豊かだから、ホタルがいるか調べてみてくれ、とおっしゃるんです。当時の農家は農薬
入社後は、製品部でビン詰めの作業や配送の手伝いをしていましたが、研究室に配属となったある日、当時の上司であった嶋悌司先生(元新潟県醸造試験場長)が、ここらへんは自然が豊かだから、ホタルがいるか調べてみてくれ、とおっしゃるんです。当時の農家は農薬
を多く使い、灌漑設備が整ってきたこともあって、地元の人でさえホタルを見かけることがほとんどありませんでしたから、本当にホタルがいるのかは半信半疑、しかもホタルがお酒の仕事とどう関係するのか想像もつかない(笑)。それでも、夜間の見回り警備ついでに調べてみると、たしかに敷地内の用水路にホタルがいるんです。それを報告すると今度は、それを飼育して増やそうという話になりました。今は環境保護としてホタルを守りながら、飼育については、自然環境を学ぶための学校教材用として必要な分だけ育てるようになっています。
長岡を出たいと思ったことですか? もちろんありますよ、若いときは誰でもそうでしょう(笑)。 生まれも育ちもここ近辺だったので、この自然も特別に感じたことはなかったし、工業高校に通っていたので、その方面に進むことを考えていましたね。結局は地元での就職を選びましたが、当時は酒造りへの興味も薄かったので、この会社に入ったのは本当に偶然でした。
入社後は、製品部でビン詰めの作業や配送の手伝いをしていましたが、研究室に配属となったある日、当時の上司であった嶋悌司先生(元新潟県醸造試験場長)が「ここらへんは自然が豊かだから、ホタルがいるか調べてみてくれ」とおっしゃるんです。当時の農家は農薬を多く使い、灌漑設備が整ってきたこともあって、地元の人でさえホタルを見かけることがほとんどありませんでしたから、本当にホタルがいるのかは半信半疑、しかもホタルがお酒の仕事とどう関係するのか想像もつかない(笑)。それでも、夜間の見回り警備ついでに調べてみると、たしかに敷地内の用水路にホタルがいるんです。それを報告すると今度は、それを飼育して増やそうという話になりました。今は環境保護としてホタルを守りながら、飼育については、自然環境を学ぶための学校教材用として必要な分だけ育てるようになっています。
入社後は、製品部でビン詰めの作業や配送の手伝いをしていましたが、研究室に配属となったある日、当時の上司であった嶋悌司先生(元新潟県醸造試験場長)が「ここらへんは自然が豊かだから、ホタルがいるか調べてみてくれ」とおっしゃるんです。当時の農家は農薬を多く使い、灌漑設備が整ってきたこともあって、地元の人でさえホタルを見かけることがほとんどありませんでしたから、本当にホタルがいるのかは半信半疑、しかもホタルがお酒の仕事とどう関係するのか想像もつかない(笑)。それでも、夜間の見回り警備ついでに調べてみると、たしかに敷地内の用水路にホタルがいるんです。それを報告すると今度は、それを飼育して増やそうという話になりました。今は環境保護としてホタルを守りながら、飼育については、自然環境を学ぶための学校教材用として必要な分だけ育てるようになっています。

とはいえ最初は、酒造りの会社がなんでホタルを育てるのだろう?と、少し戸惑いました。しかし、ホタルが育つような良い水、良い自然環境を維持できれば良い米がつくれる、良い米を仕入れられれば良い酒を造れるといったように、すべてはつながっている。そう考えると、ホタルの保護がいかに酒造りに関係するのかも、おのずと分かってきました。もちろん、どんな米であれ仕入れてくることさえできれば、私たちはお酒を造ることができます。しかし、その米自体のこと
も考えなければ良い酒にはならない。一見お酒には関係がないところを疎かにすると、あとでしっぺ返しを食らうのが酒造りですからね。
この活動は今では30年を超え、地域住民の方も巻き込んだ活動になっています。朝日酒造のどこからみてもごまかしのない酒、無垢な酒、それを実現させるのが、越路の自然でありそれを守る住人のみなさんだと、年を追うごとに感じています。「継」はこの土地に住む者と自然が共に造った酒なのです。
この活動は今では30年を超え、地域住民の方も巻き込んだ活動になっています。朝日酒造のどこからみてもごまかしのない酒、無垢な酒、それを実現させるのが、越路の自然でありそれを守る住人のみなさんだと、年を追うごとに感じています。「継」はこの土地に住む者と自然が共に造った酒なのです。
とはいえ最初は、酒造りの会社がなんでホタルを育てるのだろう?と、少し戸惑いました。しかし、ホタルが育つような良い水、良い自然環境を維持できれば良い米がつくれる、良い米を仕入れられれば良い酒を造れるといったように、すべてはつながっている。そう考えると、ホタルの保護がいかに酒造りに関係するのかも、おのずと分かってきました。もちろん、どんな米であれ仕入れてくることさえできれば、私たちはお酒を造ることができます。しかし、その米自体のことも考えなければ良い酒にはならない。一見お酒には関係がないところを疎かにすると、あとでしっぺ返しを食らうのが酒造りですからね。
この活動は今では30年を超え、地域住民の方も巻き込んだ活動になっています。朝日酒造のどこからみてもごまかしのない酒、無垢な酒、それを実現させるのが、越路の自然でありそれを守る住人のみなさんだと、年を追うごとに感じています。「継」はこの土地に住む者と自然が共に造った酒なのです。
この活動は今では30年を超え、地域住民の方も巻き込んだ活動になっています。朝日酒造のどこからみてもごまかしのない酒、無垢な酒、それを実現させるのが、越路の自然でありそれを守る住人のみなさんだと、年を追うごとに感じています。「継」はこの土地に住む者と自然が共に造った酒なのです。
