
米は原石。
それを上手く
使えるかどうか。

最高の環境だからこそ、
言い訳はゆるされない
山崎 正治
原料処理担当
酒造りにとって、米は原石みたいなものだと思います。酒が宝石だとすれば、杜氏がデザイナー。私がやっている原料処理は、その原石をある程度のところまでカットする仕事です。そしてそれを磨くひとがまたまわりにいる。原石が良くなければいい酒ができないのはたしかに事実なんですが、たとえ原石が良くても、それを上手く使えるかどうかは結局自分たち次第。越路の豊かな自然は酒造りには最高の環境ですから、これでいい酒ができなかったら自分たちの技量の問題と思わなければならない。とても恵まれているのですが、裏を返せば言い訳することができない環境なんです。
はじめて酒造りをしたのは10代のときです。高校の醸造科で行われた実習の一環でした。未成年だった当時はきき酒することもできませんでしたが、高校の近くで実際に販売もしました。私の実家は酒屋だったのですが、そこに来たお客さんが、造ったお酒を飲んでくれたみたいで、おいしいと言ってくれていたと聞きました。酒造りのイメージはその高校の経験しかなかったので、卒業後にこの会社に入ったときは、あまりの規模の大きさにびっくりしましたね。蔵は近代的で、タンクも巨大。お米ひとつとっても数百キロという単位で、そのスケールにも圧倒されましたね。
酒造りにとって、米は原石みたいなものだと思います。酒が宝石だとすれば、杜氏がデザイナー。私がやっている原料処理は、その原石をある程度のところまでカットする仕事です。そしてそれを磨くひとがまたまわりにいる。原石が良くなければいい酒ができないのはたしかに事実なんですが、たとえ原石が良くても、それを上手く使えるかどうかは結局自分たち次第。越路の豊かな自然は酒造りには最高の環境ですから、これでいい酒ができなかったら自分たちの技量の問題と思わなければならない。とても恵まれているのですが、裏を返せば言い訳することができない環境なんです。はじめて酒造りをしたのは10代のときです。高校の醸造科で行われた実習の一環でした。未成年だった当時はきき酒することもできませんでしたが、高校の近くで実際に販売もしました。私の実家は酒屋だったのですが、そこに来たお客さんが、造ったお酒を飲んでくれたみたいで、おいしいと言ってくれていたと聞きました。酒造りのイメージはその高校の経験しかなかったので、卒業後にこの会社に入ったときは、あまりの規模の大きさにびっくりしましたね。蔵は近代的で、タンクも巨大。お米ひとつとっても数百キロという単位で、そのスケールにも圧倒されましたね。

それもあって、私が担当している工程では、通常は人間の手だけで行う作業はありません。まれに手作業がメインになることがあっても、それは品評会向けの特別なお酒など、ごく少数のものだけなのですが、今回の「継」は、品評会向けのお酒とほぼ同じような造り方をしています。一般に出回る商品で同じ造り方をしているのは、「継」がはじめてです。たとえば、大きな仕込みになると700キロの米を一気に出し入れすることができなくて、どうしても時差が出てきます。大きなタンクでは下と上で水の吸い方も変わってしまうのですが、手作業ではそれがないんです。
小学校くらいから従兄弟とフナ釣りをしていたこともあって、社会人になってからまた渓流釣りをはじめました。自分の性格が釣りに向いてるとは思いませんが、自然の中で遊ぶのが好きなんです。切りたった岩場で、岩をつかみながら移動したり。けっこう危ないんですがそれがとても楽しくて、家に帰ってくると生きてることを実感します。自分で採った山菜のてんぷらを食べながら、自分が造ったお酒を飲むのが至福のひとときです。日本中探してもこんな贅沢をしている人間は滅多にいないな、なんて思ったりもします(笑)。
それもあって、私が担当している工程では、通常は人間の手だけで行う作業はありません。まれに手作業がメインになることがあっても、それは品評会向けの特別なお酒など、ごく少数のものだけなのですが、今回の「継」は、品評会向けのお酒とほぼ同じような造り方をしています。一般に出回る商品で同じ造り方をしているのは、「継」がはじめてです。たとえば、大きな仕込みになると700キロの米を一気に出し入れすることができなくて、どうしても時差が出てきます。大きなタンクでは下と上で水の吸い方も変わってしまうのですが、手作業ではそれがないんです。
小学校くらいから従兄弟とフナ釣りをしていたこともあって、社会人になってからまた渓流釣りをはじめました。自分の性格が釣りに向いてるとは思いませんが、自然の中で遊ぶのが好きなんです。切りたった岩場で、岩をつかみながら移動したり。けっこう危ないんですがそれがとても楽しくて、家に帰ってくると生きてることを実感します。自分で採った山菜のてんぷらを食べながら、自分が造ったお酒を飲むのが至福のひとときです。日本中探してもこんな贅沢をしている人間は滅多にいないな、なんて思ったりもします(笑)。
小学校くらいから従兄弟とフナ釣りをしていたこともあって、社会人になってからまた渓流釣りをはじめました。自分の性格が釣りに向いてるとは思いませんが、自然の中で遊ぶのが好きなんです。切りたった岩場で、岩をつかみながら移動したり。けっこう危ないんですがそれがとても楽しくて、家に帰ってくると生きてることを実感します。自分で採った山菜のてんぷらを食べながら、自分が造ったお酒を飲むのが至福のひとときです。日本中探してもこんな贅沢をしている人間は滅多にいないな、なんて思ったりもします(笑)。
