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活の解明

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未知の領域だった「活の解明」

様々な日本酒が各地で造られる昨今、その製造技術はほぼすべて解明され、これ以上の進化は難しいだろうと一般的には考えられています。しかし実際は、多くのことがわかっていません。特に、上槽(もろみを搾り、お酒と酒粕に分ける工程)、火入れ、冷却とつながる最終工程には、科学的な視点から見た場合、いまだ解明されていない謎が多くありました。
「継」の上槽、火入れ、そして冷却の担当者たちは、各持ち場のプロフェッショナルとしてパートを横断して一体となり、この仕上げ部分
に改良の余地がないかを追い求めました。上槽の担当者は、もろみへの圧力のかけかた、時間、そして搾り出される生酒のどの部分、それらのどれが理想の味わいを実現するのか、きき猪口に注がれた生酒を五感をフルに活用して探り続けました。火入れ、冷却の担当者は、託されたその生酒を、どんなスピードでどこまで温度を上げ、そしてどう冷却するかを、機器の数値を確かめながら、繰り返し検証しつづけました。仕上げ作業は、時間との勝負。担当者全員が精神をすり減らす日々が続きました。
様々な日本酒が各地で造られる昨今、その製造技術はほぼすべて解明され、これ以上の進化は難しいだろうと一般的には考えられています。しかし実際は、多くのことがわかっていません。特に、上槽(もろみを搾り、お酒と酒粕に分ける工程)、火入れ、冷却とつながる最終工程には、科学的な視点から見た場合、いまだ解明されていない謎が多くありました。
「継」の上槽、火入れ、そして冷却の担当者たちは、各持ち場のプロフェッショナルとしてパートを横断して一体となり、この仕上げ部分に改良の余地がないかを追い求めました。上槽の担当者は、もろみへの圧力のかけかた、時間、そして搾り出される生酒のどの部分、それらのどれが理想の味わいを実現するのか、きき猪口に注がれた生酒を五感をフルに活用して探り続けました。火入れ、冷却の担当者は、託されたその生酒を、どんなスピードでどこまで温度を上げ、そしてどう冷却するかを、機器の数値を確かめながら、繰り返し検証しつづけました。仕上げ作業は、時間との勝負。担当者全員が精神をすり減らす日々が続きました。
そしてひとつの試作が完成し、全員がそろって試飲する日が訪れました。緊張感の漂うなか、その試作をひとくち飲んだ瞬間、全員が顔を見合わせます。「…美味しい」「おどろいた」「仕上げの工程に、ここまで酒の味を変える余地がまだ残っていたのか」。次々にこぼれる笑顔。彼らはこの酒の里越路で、さまざまな酒を試行錯誤しながら造り続けてきたプロフェッショナル達です。その彼ら自身が驚愕するほどの進化の余地が、仕上げの工程には残されていたのです。
その結果、上槽の圧力はほぼ無加圧で、わずかに通常の5分の1程度の圧をかけて終了。搾りはじめの「あらばしり」と搾りおわりの「責
め(せめ,上槽圧力を充分に上げた状態の酒)」の部分は使用せず、取り出したその澄み切った生酒を、温水プレートを使い65℃まで急加熱。その状態のままびん詰めし、手作業で2℃の氷水に入れて急冷却。酒自体が30℃を超える時間を全体で約10分以内におさめるという、まさに生まれたての生酒の香りと味わいをそのまま「活締め」する仕上げの技術が生まれました。それは、これまで未知の領域だった仕上げ工程の謎を解明することで、日本酒に新たな進化が生まれた瞬間でもありました。
そしてひとつの試作が完成し、全員がそろって試飲する日が訪れました。緊張感の漂うなか、その試作をひとくち飲んだ瞬間、全員が顔を見合わせます。「…美味しい」「おどろいた」「仕上げの工程に、ここまで酒の味を変える余地がまだ残っていたのか」。次々にこぼれる笑顔。彼らはこの酒の里越路で、さまざまな酒を試行錯誤しながら造り続けてきたプロフェッショナル達です。その彼ら自身が驚愕するほどの進化の余地が、仕上げの工程には残されていたのです。
その結果、上槽の圧力はほぼ無加圧で、わずかに通常の5分の1程度の圧をかけて終了。搾りはじめの「あらばしり」と搾りおわりの「責め(せめ,上槽圧力を充分に上げた状態の酒)」の部分は使用せず、取り出したその澄み切った生酒を、温水プレートを使い65℃まで急加熱。その状態のままびん詰めし、手作業で2℃の氷水に入れて急冷却。酒自体が30℃を超える時間を全体で約10分以内におさめるという、まさに生まれたての生酒の香りと味わいをそのまま「活締め」する仕上げの技術が生まれました。それは、これまで未知の領域だった仕上げ工程の謎を解明することで、日本酒に新たな進化が生まれた瞬間でもありました。

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